【有川】 宮本常一が撮影した昭和の有川
リメンバー宮本常一とこぼれ話でご紹介した宮本常一氏が撮影して「私の日本地図 5
五島列島」で紹介されていた有川の町並みの写真を、周防大島文化交流センターさま
からお借りすることができましたので現在の様子と比較してみましょう。
【写真提供/周防大島文化交流センター(転載を禁じます)】
▲宮本氏の生まれ故郷・周防大島町にある文化交流センターには、氏の蔵書や昭和30
年代以降の日本を撮ったおよそ10万枚の写真等を収蔵する資料館があるそうです。
フィルムの時代で10万枚ですから、宮本氏にデジカメを持たせたらどうなるんで
しょうね。
▲宮本氏は鯨見山から有川の町を西から東へ展望した4枚の写真を撮影しています。
まず最初にそのうちの2枚をご紹介いたします。が、宮本氏が撮影したと思われる場
所は雑木林になっていて写真を撮れる状況ではありませんでしたので若干高い位置か
らの撮影になります。
▲それではまず、鯨見山から見下ろした現在の有川港周辺。携帯の基地局アンテナが
あるおかげで電線が写ってますが我慢してください。
▲当時の有川港周辺。【写真提供/周防大島文化交流センター(転載を禁じます)】
一目瞭然で埋め立てられた様子がわかるかと思います。
▲さきほどの写真から東側の現在の町並み。 やはり電柱が入りますね。このときばか
りは九電を恨めしく思いました。
▲さきほどの写真から東側の当時の町並み。
【写真提供/周防大島文化交流センタ ー(転載を禁じます)】
▲つづいて現在の中筋公園ですが・・・。
▲当時は「町の氏神・祖母君(うばぎみ)神社」でした。
【写真提供/周防大島文化交流センター(転載を禁じます)】
▲現在の有川神社。
▲こちらは天満神社でした。
【写真提供/周防大島文化交流センター(転載を禁じます)】
山の稜線を見たらわかってしまいますが、宮本氏が「唐獅子の見事な彫刻」と紹介し
ていた狛犬を入れたかったので、今回撮影した位置は宮本氏の写真から数メートル後
方になります。
祖母君・天満の両社と 浜地区の八幡神社の三社は昭和63年に統合され、天満神社旧
社地に新しく有川神社が創建されました。
▲最後に現在の有川郵便局付近。
▲当時の「有川のメインストリート」と紹介されていました。
【写真提供/周防大島文化交流センター(転載を禁じます)】
「私の日本地図 5 五島列島」にはほかにも上五島の写真が紹介されています。絶版に
なっているので入手することは難しいかもしれませんが、図書館などで探してぜひ読
んでみてください。ちなみに未来社という出版社から「私の日本地図シリーズ」がラ
ンダムに復刊中です(五島列島はまだのようです)。
懐かしむ方もいらっしゃると思いますが、私にとってはとても新鮮なかつての有川の
町並みでした。
【写真提供】
【参考文献】