【上五島】 ほぼ一里の松
網上郷に客人(まろうど)神社という神社がありますが、この網上から青方に向かう
古道には、一里(3900m)ごとの目標になる神社が祀られています。
▲場所はこちらです。
▲客人神社の創建年代は不詳です。社記によると寛政年間(1789~1801)以前
の創建だそうです。
主祭神に大山祇大神と塩釜大神の、二柱の製塩にまつわる神をお祀りしていますが、
江戸時代の網上は製塩を営む「釜方村」でした。
青方神社に牛の像がある理由でもご紹介しましたが、古くは御厨牛という朝廷に献上
する牛を飼育・繁殖させる「網上牧」という牧場もありました。
この客人神社には一里ごとの目印になる松が植えられ、いつのころからか一本松さま
と称し、網上村を含む青方6ヶ村の中心地、青方村への街道の起点となったそうです。
▲網上からほぼ一里の奈摩峠。こちらには大物主之命を祀る金比羅神社があります。
▲場所はこちらです。
▲ストリートビューで見た方が雰囲気ありますね。ちなみに、こちらは2011年に
撮影されたものだそうです。
▲現在ではこんな感じです。
▲こちらが二本松さま。
ちなみに、一本松から二本松まで一里、といっても実際には3600mほどしかない
そうです。正確には1里弱といったところでしょうね。
▲最後に奈摩峠からほぼ一里の上五島中学校正門の隣にある丘。こちらには山神と不動
明王を祀る祠があります。
古くはこの辺りを「奈摩越」といったそうで、ここを越すと青方に到着します。
▲場所はこちらです。
▲こちらが三本松さま。向かって右側の祠に山神、左側の祠に不動明王をお祀りして
います。
この街道を行き来する人々は、それぞれの神社に柴を折って供え道中の安全を祈る、
という風習があったそうです。
【参考文献リスト】
・上五島町郷土誌(昭和61年)