新上五島町に残る江戸時代の鳥居 その1
「みJOY」春の16号でも記事にしましたが、新上五島町に現存する江戸時代の鳥居を
年代の新しい順にご紹介したいと思います。「その1」は19世紀に建立された鳥居です。
野々観音 一の鳥居(浦桑郷)
▲こちらは嘉永5年(1852年)に建立されました。
▲嘉永五子年の銘がみえますね。
▲場所はこの辺りです。
野々観音についてはこちら ↓
【新魚目】 浦桑郷の野々観音 - スメルズ for Kamigoto
行者山社の鳥居(友住郷)
▲友住郷 行者山社の鳥居。こちらは弘化3年(1846年)に建立されました。
▲弘化三丙午年の銘がみえますね。
▲場所はこの辺りです。
▲もともと行者山社は、神域とする行者山々頂付近に社殿がありましたが・・・
【写真は2010年12月撮影】
▲現在は参拝しやすいように鳥居の傍に祠が建立されています。
近隣の方に由緒を聞いたところ、昔々この行者山で修行していた修験者をお祀りして
いる、ということでした。
▲元禄5年(1692年)9月、高野山の行人方の僧侶125人が、罪人となって五島
列島に配流され、内105人の僧侶が上五島に流されたそうですが、僧らは元禄13年
(1700年)に帰国を許されたものの島に残った者もいた、ということです。
【画像はWikpediaの高野山から転載】
▲このためか、行者山という地名や修験道の開祖とされる役行者を祀る神社は、阿瀬
津郷や浜ノ浦郷、若松島などにも残されていて、いずれも流罪となった僧侶との関連
があるそうです。【写真は阿瀬津郷の役行者】
江ノ濱神社の三の鳥居(江の浜郷)
▲江の浜郷 江ノ濱神社の三の鳥居。こちらは、天保15年(1844年)9月に建立さ
れました。
▲天保十五歳の銘が見えるかと思います。
▲場所はこちらです。
琴平神社の鳥居(榎津郷)
▲榎津神社の奥にある琴平神社の鳥居。こちらは天保4年(1833年)正月に建立
されました。
こちらは年号が判読できませんでしたが、富江藩6代藩主・五島運龍(ゆきたつ)公が
大漁を祈願して奉納されたそうです。
琴平神社についてはこちら ↓
【新魚目】 榎津郷の琴平神社の鳥居 - スメルズ for Kamigoto
→ 新上五島町に残る江戸時代の鳥居(2)につづきます
【参考文献リスト】